女一人で海外出張: 外国人とのコミュニケーションへの誤解

2017年9月8日金曜日

外国人とのコミュニケーションへの誤解

 外国人とのコミュニケーションでよく誤解されている事があります。
「日本人ははっきり物を言わないが、外国人(欧米人)は、はっきり物を言う。」
「だから、誤解を招かないためにも外国人に対しては、敢えてはっきり言う事。」
これは、特に英語圏の国々を念頭において、日本で古くから言われていた事です。ですが、私の経験を基にしますと、何でもはっきり物を言っていては、仕事関係のコミュニケーションとして危険です。

 理由は、特にアメリカ人の場合ですが、私の仕事相手先の方々は例外なく、とても気を使った話し方をされるのです。こちらの提案に対して、たとえ興味がなくても「NO.」なんて言い方はしません。例えば、「それは良いね!でも、このケースだと場合によるかもしれないと、僕は思うんだ。個人的な印象なんだけどね。」と、まだまだこの倍は言葉を尽くして答えてくれます。それは私に限ったことではなく、アメリカ人同士でも同じように言葉を尽くして気を使い合っています。(特にネガティブな内容を伝える時は気を遣います。)

 こういった気遣いや心遣いを言葉にして伝える事は、アメリカ人ビジネスマンは日本人以上に行っていると思います。
 オーストラリア人はアメリカ人ほどコミュニケーションに繊細ではないですが、大らかに、明るく、冗談を交えて、包み込むように相手を思ってくれます。
 イギリス人は表現がとても日本らしいです。直接的な表現は避け、間接的に、時にはもったいぶった言い方になりますが、気遣いやマナーの一つとしてコミュニケーションに現れます。

 日本人も、拙い英語でも良いです、外国人とのコミュニケーションの際は相手への心遣いを言葉にして伝えて下さい。ぶっきらぼうにならないように、悪い方に誤解されないように、対日本人以上に気を使って良いと思います。(但し、ビジネスの戦略上、あえて、ぶきらぼうに「NO.」という作戦なら別です。お互いの主張がぶつかり合う激しい交渉の場は戦場です。戦後70年を過ぎた今でも、あの戦争は未だ続いている気がします。形を変えて。これについては追って別の回でまとめるか、上澄みの部分だけお伝えするのかな。

 仕事にがぎらず、レストランでの会話でも、ホテルでの会話でも、空港での会話でも、スタッフへの気遣い感じられる会話になれば、お互い心地良いですしスマートですね。スタッフと客の関係は対等ですから。

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 「はっきり言う事」を「思った事をズバズバ言う事」だと勘違いされている日本人女性とお会いした事があります。(これは本当に危険な勘違いです。)仕事相手のアメリカ人が、ランチに一人の日本人女性を連れてきました。Aさんと言う、アメリカ人の教授と結婚された方です。
 私とは初対面なのに、
「あなた出身どこ?」「ああ、○○ね?私、そこ嫌いなのよ。」「イメージ暗くない?」「私、暗いの大嫌い。」
と、いきなり言われました。
 それを聞いていた仕事相手先のアメリカ人は一瞬で青ざめました。

 私は、
「Aさんは、実際行ったことあるんですか?実際行ってみるとイメージって変わるものですよ。今回ご縁もあった事だし、今度・・」
と、言いかけると、
「行きたくないから行ってないのよ。暗い所に、頼まれても行きたくないわ~。」
と一言。

 それを聞いていたアメリカ人は冷や汗をかいて、今にも吐きそうな顔をしていました。こんな、アメリカのコメディードラマに出てきそうな表情を、実生活で目にする機会があったなんて!現地でお会いした日本人女性Aさんは、アメリカ人も青ざめる率直さ?なのかな?

 Aさんと別れた後で、仕事相手のアメリカ人と二人きりになると、
「今日は、何と言うか、気まずい雰囲気にさせて、あの・・・。同じ日本人女性同士、話し相手に良いかと思ったもので・・・。」
「あなたとは全く違うタイプだから、話が合うかどうか、気にはなったんですが。結局・・・合わなかったですね。本当にすみません。彼女はもう連れてきません。」
「日本人女性には奔放な人が多いですよね。教授は、あの日本人奥さんの奔放さが好きなのかな。」
と語っていました。(”奔放”と、私はここで訳しましたが、彼は、良い意味だけでなく悪い意味もある言葉を使っていました。思った事をズバズバ言う彼女の行為は、アメリカ人ビジネスマンの目にも”問題有り”と写ったのかもしれません。)

「今日は色々とありがとう。気を使ってくれてるのは、良く分かってるから。」
と彼にお礼を伝えました。

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