女一人で海外出張: 海外出張に必要な語学力

2017年8月28日月曜日

海外出張に必要な語学力

頻繁に海外出張に行くと言うと、「英語ペラペラなんだー!すごいね。」と言われます。もしくは、「どうやって英語マスターしたの?」と聞かれる事もあります。でも、ちょっと待って下さい。海外で、または、海外と、仕事をするには果たして英語は必要不可欠なのでしょうか?

世界では、英語ネイティブの人口は案外少ないです。文部科学省の資料によると、世界の人口70億人のなかで、英語を母国語とする人口は4億人しかいません。英語を使用する人口でみても、51400万人しかいません。“35億、あと、5千万人”にすら遥か遠い!(ちなみに一位はどちらも中国語です。人口からみても当然ですね。)

 結論から言いますと、実際、世界各国に行ってみると、英語が通じる所の方が圧倒的に少ないです。どのくらい英語が使えないかと言うと、非英語圏の国々では、ホテルで辛うじて英語が通じる人がいるかどうかで、駅や交通機関ではほとんど英語は通じません。もちろん、レストランでも英語が通じないですし英語メニューが無い所の方がほとんどです。(実際、非英語圏に旅行に来ているアメリカ人やイギリス人は結構大人しいものですよ。)

ビジネスの場でも、訪問先相手が英語ネイティブでない場合の方がほとんどです。そのようなビジネスシーンでは、英語ネイティブでない者同士、誤解が生じないように簡単で明確な表現を選んで会話をします。ビジネスの場での最優先事項は誤解を生まない事!英語の流暢さなんて二の次です。自己満足の英語を話しても仕事にはなりません。英語ネイティブでない相手に、難しい内容を如何に簡単な表現で説明するか、が、ビジネスの場で求められる英語力です。

そんな場にありながら、アメリカ訛りの英語を口語表現混じりで喋りまくるのは逆効果です。はっきり断言しますが、ネイティブ風の流暢な英語は嫌われます。(もちろん、アメリカ人に対して流暢な英語で話しても問題ないですよ。ただ、ちょっと脇道にそれますが、同じ英語圏であっても、ヨーロッパやオセアニアに訪問し、日本人なのに流暢なアメリカ英語で話すと、与える印象は悪いです。ご留意下さい。)

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 これからインターナショナルに活躍したいという方は、英語の技術を磨く事に時間を費やす前に、自分の将来に関して一度戦略を練ってみて下さい。(その結果、英語がどうしても必要だと思った方々が英語の技術を磨けば良いと思います。)

 例えば、これから交流が盛んになりそうな国や、貿易等で交流はあるけどその国の言語を話せる日本人が少ないなど、ニッチな所を狙って語学をマスターするのも限られた時間の中では有効だと思います。企業では現地語を話せる即戦力になりうる人材を求めていますから。

 現在の日本では英語が第一外国語になっています。英単語や英文法などある程度は基礎があるので、現場で求められたら何とかなってしまうものです。それを可能にするのは日本語力です。私達は常に日本語で思考します。難しい内容や言葉を簡単な言葉で表現するには母国語である日本語の力が不可欠です。

補足として、第二外国語情報です。
研究者として世界の第一線で戦うつもりなら、向こうは貴族の古い階級社会をそのまま引き継いでいますので、詳細を議論できるレベルの英語力に加えフランス語ができて初めて一人前と見なされます。UNで働くにも、フランス語が出来れば有利でしょう。
アジアとのビジネスの場で活躍したいなら、お喋りできるレベルの英語力に加え、その国の言語(中国語、マレー・インドネシア語、ベトナム語、ヒンディー語など、対象国に合わせて。)で最低でも旅行できるくらいになっていましょう。
あと、案外多くの国で使えるのがスペイン語です。スペインだけでなく中南米やアメリカでもスペイン語が話されています。もう一つ、ロシア語も案外話されています。中央アジアや旧ソ連だった国々で。

最後に、大事な事をお伝えします。現場では語学力よりもコミュニケーション力の方が大切です。語学力は後からついてきます。仕事で求められてからマスターすれば良いだけの物です。それよりも一番大事なのは、皆さんが持っているノウハウ、商品、アイデア、といった中身です。これがインターナショナルに活躍する際の一番の武器になります。

そりゃそうですよね。外人さん達は私に流暢な英語を求めているのではなく、自分達が持っていない物、自分達にはマネのできない技術、新鮮な視点、等々を期待しているのですから。英語が話せるだけでグローバル人材と言えるとするなら、アメリカの小学生や浮浪者も皆グローバル人材になれてしまいます。日本人である私達が英語力を上げるのに時間を費やすくらいなら、そのぶん、外国人にはまねのできない自分だけの強みを磨いた方がインターナショナルに活躍できるようになります。

外人さん達が喉から手が出るほどの欲しがる物を持ち合わせていると、外人さん達が日本語の通訳を雇って「是非、話を聞かせてくれ!」と向こうからやって来ますよ。むしろ、外人さんの方が日本語を勉強して日本語を話すようになります。

語学力よりもコミュニケーション力。人間としての魅力。そして外人さん達にまねのできない自分の強み。そちらの方を優先して磨いて下さい。と、ここではお伝えしたいです。

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