夜間到着便

女性の一人旅の注意の一つに、「夜間到着の飛行機の利用は避けましょう。」があります。暗くなってからの女性一人の移動には危険が伴うからです。「避けましょう。」なんて、言うのは簡単。避けられるのなら最初から避けている選択肢です。それでも、どうしても夜間到着便にせざるを得ない場合があります。
個人旅行ですと、ある程度の妥協をしながら自由に旅程を決められますが、出張の場合は先方とのアポを最優先にしますし、予算や会計検査の点から無駄の無い旅程の設定が求められるからです。“無駄の無い”とは即ち、“出張者に体力的無理を強いる”とも言える・・・。まあ、そうですよね。遊びに行かせている訳ではないのですから。

　例として、ヨーロッパの地方都市で月曜の朝9:00から打ち合わせが入った場合、ほとんどのケースで日曜の午前中東京発、ヨーロッパのどこかで一回乗り継いで、現地時間で日曜の深夜着になりました。空港で荷物をピックアップして空港の外に出ると、遅い時は日付が変わっていることも。海外出張をしていて夜間到着はよくあることです。

では、夜間に現地到着になった場合、安全にホテルまで行くにはどうしたら良いでしょう？空港からホテルへの移動手段は何通りかあります。以下の順で安全度が高いです。

1. ホテルの送迎（リムジンサービス、シャトルバスサービス）
2. タクシー
3. 公共交通機関（バス、電車、等）

ホテルによる送迎が最も信頼性の高い移動手段なので、危険な地域に行く時ほど、ホテルの送迎を利用します。空港までの送迎を行っていないホテルもありますので、通常使う手段はタクシーが多かったです。

職場の旅費規程には「公共交通機関を利用すること。公共交通機関が利用できない、若しくは、精密機器を運んでいる等の相応の理由がある場合のみ、タクシーの利用を認める。」とありました。

　は？じゃないですか？現実的には、公共交通機関の利用が可能なのは、安全な国で、かつ、日中移動だけです。夜間にバスや電車を利用して都市中心部に移動したら、駅構内やその周辺、バスターミナル周辺で待ち構えている強盗のターゲットになります。いざ駅周辺でタクシーを見つけようにも、深夜になるほど、タクシーはつかまらなくなります。大きな荷物を抱え、駅周辺を歩いている旅行者、タクシープールを探してバス停周辺でキョロキョロしている旅行者は格好のターゲットです。ましてや女性一人だったら、強盗にとってはリスクゼロで金品を奪える絶好のカモです。道端でカツアゲに遭うだけならまだしも、女性の場合は拉致された後、殺されるという最悪のケースも想定しなくてはなりません。

自分の身の安全を守れるのは、その場にいる自分が下す判断だけです。職場の旅費規定は守ってくれません。私は、危険に遭遇するかもと思った出張時はタクシーを利用し、帰国後の精算の際に理由書を書いて提出していまいた。認められない場合でも数千円の出費で安全を買えたのですから安いと思いました。

夜間の行動の基本はなるべく歩かないで済む方法をとること。なので、私はDoor to Doorで空港からホテルまで移動できるタクシーの利用をお勧めします。

（そのタクシーですら、まれに危ない人がいるようです。次回は、そのタクシー移動でのコツについて書きます。）